2008年03月30日
いちばん

昨日の6歳の男の子、しょう君。
我が家の4匹の犬たちを遠巻きにして眺めながら
そして私の顔を見上げてきいた。
「どの子がいちばん好き?」
「しょう君」
あまりよく知らないおばちゃんの家でひとり取り残されて
ずっと子ども心に緊張してたのだろう
あまり笑わなくてどこか寂しげだった。
犬たちのことを聞いて、そして思いがけない答えに出会って
その彼の顔が一度に華やいだ。
気持ちがほぐれたのか犬たちと夢中で追いかけっこしたり
噛みつき合ったりしてじゃれ回って遊び始めた。
それからしょう君はずっと帰って行くまで笑顔だった。
ひとは、それがとても陳腐な言葉でも
ときどき、聞きたくなるのだと思う。
子どもだとか、大人だとか、そういうこととは無関係に。
「あなたが、いちばん」という言葉を。
誰かにとっての「いちばん」であることは、生きていくうえ
での決定的な力になる。
「いちばん」という言葉を抱きしめてさえいれば、ひとは、
日々の暮らしを明るく、強く、堪えてゆける。
お昼寝するときも
読み聞かせするときも
おやつを食べる時も
しょう君はずっと愛犬わさびと私の膝を取り合っていた。
昨日一日私も彼の「いちばん」になれて
優しいということを取り戻せた気がした。


